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アナログプレイヤー

僕はアナログを持っている。もちろん今でも使っている。例えば、音楽で言えば、澄んで
自然な音が聞こえる。音の粒子が細かくて、数が無限っていうか緻密にびっしり詰まっ
ているので、プレイヤーのいろいろな想いや感情がありのままに受け取られる。それに、
演奏の背景にあるスタジオ機器の様子や、レコーディングミキサーさんの気持ちの変化
みたいなものまでもが感じられる気がするし、また何よりスゴイのは、アナログレコード
は音溝が擦り減って行ってしまうが故に、そこに記録されている音楽がそのまま永久に
はそこにいてくれない..と感じられることで、アームをレコード盤まで動かして針を下ろ
し音楽を聞くことの一回ごとにその音楽が大切に思えるってことだ。また、アナログのス
ゴイところは、もう一つあって、僕はアンプのボリュームを上げたまま針を下ろすってい
うのが恐くないっていうか、むしろ全く平気なのだけれど、そうすると、音楽を聞くたびに
針を下ろすというやんごとなきこれまでの行為の全容が音溝に刻まれた雑音として、履
歴として記録され、レコードをかけるたびに過去の記憶が奏でられる、っていうところ。

 

 

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