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コミュニティ・オーガナイジングとアクティビスタ ♯7
世界社会フォーラム
2003.10.29(水)
LOCOAのワークショップ最終日にあたるこの日は、インドのコミュニティ・オーガナイザーのDが、来年の1月16日からインドのムンバイで開催される世界社会フォーラムについて説明した。
世界社会フォーラムとは、スイスのダボスで毎年行われていた「世界経済フォーラム」に対抗する市民運動の会合として結成された。「世界経済フォーラム」が限定的な政治家と経済専門家のみの会議であるのに対抗する世界中の市民活動組織が、グローバル化に伴うさまざまな社会問題について、数万人規模で結集し、話し合いをおこなうものである。"Alternative world is possible"「もう一つの世界は可能だ」というのが、彼らの主張である。
第1回会合は2001年にブラジルのポルトアレグレ市で開催され、以降、年1回、継続して同都市で開催されてきた。2004年1月に開催される第4回会合は、場所をアジアに移してインドのムンバイで行われる予定である。
世界社会フォーラムで扱われるテーマは、自由化、環境、開発、戦争、労働、貧困、食料、差別、民族問題など、実に多岐にわたる。政党や暴力的な団体の参加は認められないが、こうした問題に取り組んでいる個人であれば誰でも参加が可能である。

やはりピンとこない私だったが、とりあえず、まあ、大義は何であれ、各国の市民運動にとって、世界の人々と交流して問題を共有する「機会」が提供されるのであれば結構なことなのかもしれないと自分に言い聞かせて、フォーラムの主旨には同意する。

そこで、ここに集った参加者の中でも、このフォーラムに向けた活動をしていこうということになった。午後は「河川地域とその周辺立ち退き問題」、「グローバリゼーションに対する民衆教育(Popular Education)」という2つの分科会に分かれて話し合いがおこなわれた。私は後者に参加した。議論の内容は、「グローバリゼーションの影響が直接的に見えにくい都市の人々に、どうすればグローバリゼーションの問題点に関心をもたせることができるか?」という点に終始した。「朝起きてから寝るまでに都市住民が消費するもの(朝のネスカフェコーヒー、インスタント麺、マクドナルドなど…)がいったいどこから来ているのかを考えるワークショップをする」、「カンクンで自害した韓国のイ氏のビデオを作る」、などなど。外国からの参加者が皆、前者の分科会に行ったため、この分科会の参加者はなぜか全員フィリピン人。ほとんどはコミュニティ・オーガナイザーたちだが、住民組織のリーダーも2人参加していた。彼女たちの意見もすでにオーガナイザーの視点にかなり近く、発言は「いかにして、グローバリズムの問題点を住民に理解させるか」に終始していた。カリト先生の授業で語られる「コミュニティ・オーガナイザーはコミュニティの人々との話し合いから問題を発掘します」というのは理想論である。オーガナイザーたちはきちんと事前に「意図」と「戦略」をもってコミュニティに入るではないか!

最後に、分科会の結果を発表しあい、ムンバイでの社会フォーラムでLOCOA関係者がいくつかのセミナーを主催することを決めて、3日間のワークショップは終了。この晩は主催者によって「ソリダリティ・ナイト」と名づけられた(よくある名前だ)サンミゲル・ビールを抜きとした文化交流会が催され、私はまたしてもアカペラで「すき焼きソング(上を向いて歩こう)」を歌う羽目になった。

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なお、日本から世界社会フォーラムに参加する個人と団体の有志の間では「WSF連絡会(仮称)」という緩やかな連合体がつくられています。
WSF連絡会(仮称)  メール: WSFJ@talktank.net

WSFのメーリングリストには誰でも参加できます。私もこのLOCOAワークショップのあと、「義務感に駆られて」メーリングリストに登録しました。ただし、本名でしか参加ができず、登録者の名前と所属は管理者によって公開されます。

<WSF連絡会メーリングリストへの参加方法>
・氏名(ハンドルネーム不可)
・所属団体(学生は学校名でも可、個人参加の場合は無記入)
・メールアドレス
・このイベントをどこで知ったか
を記入の上、サブジェクトを「ML参加希望」として、wsfj@talktank.net または wsfj-jimu@freeml.com まで送付。


        
 

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