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2004年大統領選挙 ♯2
選挙ジープニー
2004.4.23(金)
フィリピンの庶民の足として欠かせない公共交通、ジープニー。選挙のときにも、このジープニーが大活躍する。
選挙シーズンになると、大音響を鳴らしながら、往来を選挙カーが走り回る。が、日本で選挙カーときいて想像されるような自動車やトラックなんて、ほとんどお目にかかれない。各政党、各候補者は、ジープニーの連盟と交渉し、普段はお客を乗せて走っているごく普通のジープニーとその運転手を期間限定で借り切り、ポスターや旗を飾って即席の選挙カーに仕立て上げる。そして、狭い後ろ座席にこれまたどこかから借りてきた巨大なステレオを設置し、ポータブルCDプレイヤーに繋いで、即席スピーカーとしてがんがん音楽をかける。

まずは、ケソン市議会議員
ヘレナ(愛称BH)のジープ。
与党ラカスのジープ。
アロヨ大統領の看板を
屋根の上にのせて走る。
赤い旗をなびかせて走る
急進左派Party-List"ANAK○AWIS"。

これは選挙ジープではなく
普通の旅客ジープ。
Party-List”SMILE”の看板を
積んでいます。
これは私が乗っていた
ロコ大統領候補のジープ。
おとなしいものです。
ジープニー?トラック?
青い旗をはためかせ走る。
これが、私が毎日乗っていた
左派Party-List"A○BAYAN"の
選挙ジープニー。
後ろから見たところ。
チェ・ゲバラのポスターが人目を引く。
BHのポスターが貼ってあるのは
A○BAYANのケソン支部が
BHと協力関係を結んでいたから。


初めのうちは、おもしろいので私もきょろきょろになって見ていたが、慣れてくるとうるさいだけの選挙ジープニー。キャンペーンソングを流したり、候補者の名前をひたすら連呼したりしているものもあるが、ほとんどは選挙に関係のない、ただ単にノリの良い音楽を流しているに過ぎない。A○BAYANの場合、選曲はすべてこの地区の活動を取り仕切るオーガナイザー(つまりボス)によってなされており、たいていはクイーンやABBAなど、彼のお好みの曲ばかりが流されていた。たまには「A○BAYANのテーマソング」だの、主義主張を唱えた音声テープだのが流されることもあったけれど。
それに比べて、上にも写真を載せた急進左派の"ANAK○AWIS"は、さすが、ほとんどの場合、ちゃんと主義主張を叫ぶ音声を流していた。私の友人の元アクティビスタ(かつての急進左派)たちは、街で彼らのジープに出会うといつも、行動を中断して「敬意を!」と叫び、がたりと立ち上がった。かつての盟友の闘志に敬意を表すのだそうな。私は毛沢東主義もチェ・ゲバラも支持していないが、ジープニーの音に直立していた彼らの姿は、強烈に印象に残っている。


        
 

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