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2004年大統領選挙 ♯4
ロコ候補支持者のスラム・キャンペーン その2
2004.5.6(金)
これは その1 からの続きです。

今日も、大統領候補ラウル・ロコを支持するNGOといっしょにキャンペーン。キャンペーン期間もあと3日となった今日は、主要陣営が最後の戦略のためにケソン州のインファンタへ行ってしまい、残された陣営が前日に引き続き、マニラ首都圏のスラムでキャンペーンをする。この日は、スクワッターエリアとして有名なマニラ湾北港(ノースハーバー)にある、もとスモーキー・マウンテンがあった(1996年に閉鎖)マニラ市トンドと、ナボタス、カロオカン市へ。

Road10と呼ばれる海岸道路沿いに、巨大なスラムがずっと続いている。
ほかのスラムと違う点は、ここは70年代までは海だった場所を埋め立てたエリアなので、水はけが極めて悪く、現在のような乾季でも高潮になるとちょっとしたことで道が水浸しになってしまうこと。川も近いので、いかだのような橋を渡して水上に張り出して家を作っているところもある。海も川もクリークもとても汚く、悪臭が立ち込め、小さな泡がぶくぶく沸きあがっている。雨季になるとそれはもう大変なことになるエリアである。(なお、ここに限らずともスラムの路地がたいてい水浸しなのは、別に高潮の影響ではなく、家の中にはバスルームや水道がないので、皆が道で水浴びをしたり洗濯をしたり洗い物をしたりするからである。)

ただ、このマニラ湾沿いのエリアは、もとエストラダ大統領の熱烈な支援者が多いことで知られている。汚職疑惑のために2001年に任期途中で逮捕されたエストラダ大統領は、やはり俳優の出身で、「貧者の味方」というイメージがつくられていた。逮捕直後の2001年4月末には、この地区からも多くの貧困層が、彼の逮捕を不当とする街頭でも「エドサ3」に動員され、エストラダ大統領に代わって就任したアロヨ氏の政権を脅かした。

今回の大統領選で現職のアロヨ氏と並んで人気を二分しているフェルナンド・ポー氏は、エストラダの親友。つまり、早い話が(少々乱暴な言い方をすれば)この地区の人々は基本的にポー支持が多い。ところがどっこい、現職のアロヨ氏も、こんな(アロヨ政権にとって)危険なエリアを放っておきはしない。エドサ3のデモ以降、アロヨ氏はさんざん、このエリアを訪問し、住民たちと握手を交わし、住宅供給や雇用拡大などの特別プロジェクトを約束してきた。今回の選挙期間中も、さすがは現職の強みで、アロヨ大統領は「雇用拡大のための道路クリーンアップキャンペーン」などを実施、このエリアの失業中の若者を積極的に清掃員に雇用している。(その割には、マニラ首都圏の道路はどこも汚いままである…)

これが、その清掃員の制服。
失業者への救済策として
2001年8月に始められた。
Kalsada Natin(私たちの道路)が
合言葉。
Tシャツの後ろには、
"Programang Pangtrabaho
ni Pangulong Gloria"
(アロヨ大統領の雇用プログラム)
という文字が。

こうした迎合策の甲斐あって、この地区にも「アロヨ大統領を支持するのもいいかな」と冷静に考える人々ももちろん増えている。

その反面、われわれがキャンペーン中のロコ氏は、「アロヨ嫌いのインテリ層」受けが良いことで有名。はっきり言って、貧困層には見向きもされていない。いまさら、都市貧困層を相手にキャンペーンなどをしても、どうにもならないはずである。しかし、この期に及んで、彼は、私がお世話になっている都市貧困層を支援するNGOを通して「都市貧困層に対する10の公約」なるものを打ち出した。この公約に関する記者会見が5月2日に開催されたが、残念ながらどの新聞にも載らなかったので、誰も知らないだろう。誰がどう見たって、付け焼刃でしかないのだから…。
残念ながら、まったく望みのないロコ候補だが、それでも、このNGOは、この「10の公約」をビラに刷り、涙ぐましい努力で、今日も明日も、スラムを回りつづける。

地元のトライシクル
(乗客用荷台を乗せたバイク)に
布製のポスターを
ホチキスで打ち付ける。
選挙オジープニーの中。
ポスターをさっと渡しやすいよう、
筒型に丸める。



        
 

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