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フィリピン社会と政治 9
新聞記事を集める
2003.11.28(金)
11月末に起こったホールドアップ事件のあと、さすがに数日は家を出入りするのが怖かった私は、クリスマス休暇にやろうと思っていた「新聞の切り抜き作業」を始めた。
先日、下宿させていただいているお屋敷のメイドさんたちが、年末の大奥様のご帰宅にあわせて大掃除をなさっていた。そして、ある部屋の中から、なんと、2000年12月以降のフィリピン・デイリー・インクワイラーの古新聞の束がどっさりと出てきたのである。ご主人のLさんはインクワイラーの愛読者で、マニラにおられるときは毎日購読されている。大奥様もインクワイラー派で、過去の新聞が山積みになっていたのである。「あら、もう少しきれいならキッチンで使えるけど、もう埃っぽくて汚いわねえ。回収業者に売りましょう」と言うメイドさんたちに、「ちょっと待って!」と言い、私はそれらをキープしてもらっていた。2001年以降と言えば、私が先日NEWSBREAK社で探していた(11月10日の記述を参照)、 2001年1月の政権交代、2001年5月1日暴動、2001年5月の中間選挙に関する記事が含まれているということではないか! NEWSBREAKだけでは飽き足らず、今度はインクワイラー社に出向いてback issueを見せてもらおうかと考えていた私にとって、これは、かなりの幸運であった。
これらの事件の前後の新聞はすべて存在した。私は天にも昇る気持ちでじっくりと関連記事を切り抜き、重要な日の新聞はそのままの形でいただいた。さらに、2002年と2003年の新聞もひととおり目は通し、見出しを見て重要と思われる出来事や左派に関する記事、おもしろそうなコラムなどはすべて切り抜いた。私がずたずたに切り抜いた後の新聞はあきらかに嵩が減っていたので、回収業者に買い取ってもらうさいの金額が小さくなってしまったかもしれないけど…メイドさん、ごめんなさい。
今回はとりあえず切り取って日付を入れ、特に緊急に知りたい2001年5月1日暴動(EDSA3)の記事を読んで整理しただけで力尽きてしまい、しばらく新聞は見たくもない、とは言わないまでも、少し時間をおきたい気分である。だから、切り取った記事を項目ごとに分類してスクラップし、ファイルにする作業はクリスマスから新年にかけての休暇に片付けようと思う。じっくりと読むのは…日本に帰った後か、あるいはもっと先になりそうな気がする。

ところで、フィリピンの人は略語や語呂合わせが大好きのようで、新聞にもアルファベットの略称や言葉遊びが溢れている。一例を挙げると、憲法改正はChaCha(Charter Change)、制憲議会はConCon(Constitutional Congress)。人名も簡単に略す。グロリア・マカパガル・アロヨ大統領はGMA、フェルナンド・ポー・ジュニア氏(次期大統領選に出馬を表明しているエストラダ氏の親友の俳優)はFPJ、グレゴリオ・ホナサン上院議員はGRINGO。私はフィリピン以外の国の英字新聞紙をあまり知らないので、もしかしたらほかの国でもそうなのかもしれないが、慣れないと、見出しを見ただけでは何のことだかわからない。「GMA Say Yes to GMO(アロヨ大統領が遺伝子組み換え作物の導入に賛成)」、「ALL OK for ALL SAINT(All Saint Dayに向けた交通規制はばっちりだ)」などなど…。政権批判で有名な大手英字新聞デイリー・インクワイラーでさえ、見出しはがこうした言葉遊びやモジリ表現のオンパレード。見出しにかぎらず内容も小説風のすばらしい書き出しで始まり、起承転結構成も多い。単なる記事なのに、どの記事もまるで社説のように表現に趣向が凝らされており、おもしろい。私はデイリー・インクワイラーを毎日購読しているが、最近では、事実をそのまま見出しにする日本の新聞が味気なく思えてきたくらいである。


        
 

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